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とてもシンプルな答え

  • 執筆者の写真: AOP
    AOP
  • 6 日前
  • 読了時間: 7分

何かを習得する時、例えばデッサン力を上達させたいと学ぶ時どのように取り組んでいますか?


簡単なモチーフから始めて、少しづつ複雑なモチーフにレベルを上げて上達を促していますでしょうか。

とにかく、描いて描いてたくさん描いて身体に覚えこますスパルタンな学習法で挑んでいますでしょうか。

様々な学習方法があると思います。


右脳で描くことを推奨したり、アカデミアで行った伝統的な陰影法であったり、透視図法を利用した遠近の理解であったり。

様々な文献やテキストを読んだ方だと、多種多様な学習法があることをご存知だと思います。

これはデッサンだけに限らず全ての事に対しても同じです。

座学の勉強法や仕事の事、様々なテキストがあり方法が存在します。

私は目当ての本を探した時ポッドキャストにその本があれば選んでしまうようなタイプの人間です。

ですが皆さんのように素晴らしい見識と技術を身につけるにはどのように学べば効率的に合理的にそして確実性を持って行えるのかを出来る限り体験して学んでまいりました。

様々な方法を試し実践してきた結果、素晴らしい万能知能を手に入れはできませんでしたが、とても簡単でとてもシンプルな回答に辿り着くことは出来ました。

どのようにすれば記憶でき、どのようにすれば結果を出せるのか。

誰もが確実に結果の出せるとてもシンプルを回答を理解できました。

答えはとてもとてもシンプルです。


それは「理解と再現」です。


全ての方法論は「理解と再現」の方法を様々なタイプで表しているに過ぎないということです。睡眠学習や忘却曲線を利用したり、連続的な認知で記憶する方法であったり、様々な方法がありますが、答えはシンプルです。


「理解」できているのか、そしてそれを「再現」できるのかという事だけです。


何となくこうかな?と明瞭でない理解の場合、再現を試みても明瞭には行えず何となく似てるねという結果にしかなりません。

当然このような結果になる事は誰もが安易に想像ができると思います。

そして明確に理解しているのであれば、再現も可能だという事もわかると思います。


では「理解と再現」をデッサンを例に深掘りしてみましょう。


デッサンには大きく4つの表現力があると思います。


1、形を書き写す力

2、光や陰影を表現する力

3、空間を表現する力

4、質感を表現する力


1の形を書き写すにはどのようにすれば形を理解できるのでしょうか。

少し考えてみてくださいどのようにすれば形を理解できるのでしょうか。答えは出ましたでしょうか。様々な意外な答えがあるかもしれません。


回答の一つを上げてみます。

デッサンスケールを使いモチーフを支持体に書き写す事が可能ですよね。図り棒もその一つですよね。こういった測定器を使えば形を理解する補助となり理解を促進してくれます。

「理解」とは、何となくやだいたいとかのあやふやな理解を指しているのではありません。相対して論理的に物の成り立ちを理解する事です。

論理的にです。


2の陰影を理解するにはどのようにすれば良いでしょうか。これも考えてみてください。

モチーフに色のある物を使わず、白いモチーフで陰影をしっかり理解できるようにしたり、色のあるモチーフを一旦モノクロの写真に置き換えて陰影を理解する方法もありますよね。

描いている描画体によって表せる範囲がありますので、お使いの描画体にて陰影グレーディングシート(アトリエにありますので必要な方お聞きください)を製作し表現できる範囲を理解しておく事も大切です。


3、空間の表現・・・この言葉は重いですね。空間?空気感?物と物にある間?

空間表現とは簡単に言えば遠近の表現です。

近くや遠くの距離によって同じモチーフでも形が変わるように、見る視点から置かれた物の距離の違いによって空間が表現できます。

ではどのようにすれば空間を理解できるのでしょうか。考えてみてください。

一つには、透視図法を学ぶ事で簡単に距離による物の関係性を理解できます。写生会などで物の関係性を理解し表現する事も学べます。集合静物デッサンもとても良い勉強になりますよね。


4、質感表現・・・またさらに難題になってきました。

よく生徒さんにも言われます。パンみたいな立方体になったとか、豆腐のような直方体になったとか、捉え方は千差万別だと思いますが

例えば鉄はコントラストがしっかり出て独特の反射が存在します。ガラスなどの透明な素材は透明な素材特有の透過や屈折が存在します。そういった素材によって現れる特性をしっかり理解し再現できれば、それは質感表現となるのでと思います。

ハッチングや鉛筆の違いによって現れる調子やタッチによって質感表現を行う方もおられると思います。ですがこれはとても高度な表現を巧みに使い合わせたもので誰もが再現できるものではありません。


デッサンは手を器用に動かす神経系の発達や筋力も必要です。ギターリストやピアニストが器用に手を動かす事と同じで描画体を支持体に接触させる力加減、筆捌きなど絵描き特有の器用も必要です。


学習の大きな大きなポイントは反復です。

そして大まかな、俯瞰した網羅的な理解です。


デッサンであれば最初からいきなり細部を表現しようとしても全体を描き表せていないのであれば修正するかもしれないという懸念を抱いて進めていることになります。


まずは全体を何となく俯瞰して理解します。


モチーフの外枠となる客体を意識する事もこの理由です。ざっくりと直線でモチーフを表現するのも大体の縦横比を理解する為です。

マッスで陰影表現を行う事もそうです。

いきなりどこかの詳細を描いたりはしないのです。


これはデッサンに限らず、どんな物事にも共通しています。


全体を俯瞰して理解していないと、今自分が行おうとしている行動すら見えていないという事にもなるのです。

アートの一つのジャンルをとても詳しく理解しても、それはそのジャンルに詳しい人であってアートを網羅的に理解した人ではない事と同じです。


全体を網羅的に理解していくのです。


例えば学校の社会であれば、最初のページにある年表です。年表に大きな出来事を簡潔に書いています。これがメタ的な理解であり、気になった部分を深掘って学ぶことで詳細を理解しディティールを明確にしていけるのです。

どの学問も仕事も同じです。


そして大切な事は補助輪を使いまくる事です。


補助輪を付けずに自転車に乗った人もいるかもしれませんが、ほぼほとんどの人は補助輪というサポートがあったから自転車に臆することなく挑め乗れるようになったと思います。


デッサンではデスケルや測り棒が補助輪にあたります。補助輪を使えば誰だって自転車乗れましたよね?同じようにデスケルや測り棒を使えば誰だって正確に絵を描けます。

補助輪を使って自転車を乗っていた時、体重の乗せ方やペダルの漕ぎ方、ハンドルの捌き方でどのような挙動になるのかを身体的に勉強していたと思います。ポイントはどのようにすればどのようになったという「理解」です。何となくこーなった・・・という理解では何となくの再現しかできないのです。どのように理解して再現したのかを論理的に表せないと「理解」したとは言えないのです。


まずは全体をゆるっと網羅的に理解し、少しづつ深掘りして理解していく事で、全体を俯瞰して網羅的に理解が深まっていくという事を覚えておいてください。


「理解」と「再現」


自分に合った「理解」を探してください。

理解できたら、どのようにすれば再現できるのかを実践してください。


勉強とは全てこれだけです。



よろしければ下記ページご参照くださいませ。

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