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ONLINE COURSE 1
オンライン講座①【Another Brain】説明回

説明回です。このページの課題は次回期日までに提出する課題説明ページではありません。

以下の例題から参考資料を制作しました。

絵画としての純粋なアプローチをした作品を多く取り上げていますが、​課題作品は立体、動画、文章説明(コンセプト)など形態を問いません。むしろ平面に拘らず思うがままに制作してください。

課題:例題「悲しさ」

この言葉や悲しい意味を含めた言葉を使い文章を制作して下さい。制作した文章からイメージし作品を制作して下さい。文章として成り立たない文法や内容でもかまいません。

※文章の長さは500字までとします。

説明:「悲しさ」という言葉を用いてできた文章を元に作品を制作します。悲しさを安易にイメージするものでもかまいません。悲しさはあくまでパーツであって、主題が別に生まれてもかまいません。つまり悲しさでなくてもかまいません。但し文章から作品が読み取れ説明できるようにしてください。

画材:平面・立体・動画など描画材・支持体やサイズを問いません。
 

期間:次回のオンライン講座①までに、撮影もしくはデジタル化し提示してください。

ポイント:

この課題の特徴はテーマに沿って制作するだけではなく、言葉をキーワードとし文章を制作します。その過程で思わぬ文章が生まれ、意図しなかった方向に進むかもしれません。文章を自由に制作する事で様々な可能性が生まれます。短い文章もしくは長い文章どちらもあなたが生み出した世界観です。

文章から作品に変換する事で色や形、または動的なイメージとして発想するイマジネーションが養われます。

​​課題作品の例として

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ジャン=フランソワ・ミレー ”晩鐘”

 

「かつて私の祖母が畑仕事をしている時、鐘の音を聞くと、いつもどのようにしていたか考えながら描いた作品です。彼女は必ず私たちの仕事の手を止めさせて、敬虔な仕草で、帽子を手に、「憐れむべき死者たちのために」と唱えさせました。」

画材:油彩、キャンバス

 

ポイント:

晩鐘が鳴り響き、それを合図に農民夫婦が手を休め、「主の御使い(アンジェラス・ドミニ)」で始まる祈りを捧げる様子を描いた作品。

貧困な生活を虐げられている日常を写実的に描いています。

メインのモチーフとなる農民夫婦は低い明度、くすんだ彩度で塗られているの事に対して背景の空は黄金に輝き、美しさは遠くにあるかのような感じを抱かせます。

本来メインモチーフを目立たせるべき所を逆光効果と重ね暗く、そして色彩をくすませる事で、悲惨な現実をリアリスティックに表現しています。

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パブロ・ピカソ ”泣く女”

 

「私にとってドラはいつも「泣いている女」でした。数年間私は彼女の苦しむ姿を描きました。サディズムではなく、喜んで描いているわけでもなく。ただ私自身に強制されたビジョンに従って描いているだけです。それは深い現実であり、表面的なものではありませんでした。」

画材:油彩、キャンバス

ポイント:

愛人ドラ・マールを描いた作品。

ゲルニカ制作後に描かれた作品で、ゲルニカと相合作用する作品としても重要な作品である。感情表現をキュビズム手法を用いて多面的に表現し、悲しさに加え不安が感じ取れる。正気のない寒色が精神的な内面をも表しているかのようで「泣く」という感情表現を極限にまで拡大表現している。

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石田 徹也 ”無題”

 

画材:板、アクリル

 

ポイント:

作品は悲哀だけではなく、現代社会に対してのメッセージを含めています。

規格化された同じような人、同じような表情、服装、そして謝り方。

ダブルイメージ※1を用いて、棚受け具とお辞儀をする人間とを重ね合わせ、そこに規格化された人間の悲しさや感情を表に出せない日本人特有の文化、社会性を表わしています。

石田徹也の作品は一貫して悲哀に満ち、シュルレアリスムをベースに制作しています。

※1:ダブルイメージとは、要素を重ねて表すシュルレアリスムで多用される手法です。

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ツジシブキ ”2015年賀状(ドリー)”

 

スコットランドのロスリン研究所で生まれ育ち6歳で死んだ体細胞クローンである雌羊ドリーが題材。

画材:デジタルアート、紙。2015年度年賀状として制作し生徒さんに配布。

課題文章:

クローンで作られた生物は、その生物に準じた生物であることに代わりがないが、命とは何なのかを考えさせられる歴史的なアイコンとしてもドリーは存在した。

複製された命の価値、そこには希望と同時に悲しさも共存していないだろうか。

医学が進歩するにつれ、細胞培養でできる身体の部分的な代替から、命そのものを複製する時代が来るのかもしれない。倫理的にはあり得ないが価値観は時代と共に変化する。

​クローンは希望に満ち、また命とは何なのかを考えさせられるものである。​

ポイント:

クローン羊を連想させるように、胴体を複製させ連結させている。但し作品にはドリーの名前や文字的メッセージは何処にも表していない。

​ある文字はHAPPY NEW YEARである。

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