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オートマティスム、極性、非論理性


ico


イメージしたことをじっくり描くのではなく、瞬間的に湧き出るイメージを反射運動のように描く画法がオートマティスムです。


当初はシュールレアリスムの無意識、超現実からイメージを変換し描かれましたが、形に置き換える際に意識を持って対処しなければならなかった為、絵画のオートマティスムは不可能だとされました。

しかしジョアン・ミロやアンドレ・マッソンが残した作品は後のジャクソン・ポロックに大きな影響を与え、ドリッピングを誕生させます。


icoが描く作品は乱雑で規則性がなく、主語や述語のない世界です。

物と物のつながり、概念と概念のつながりが消失していく不均一な世界です。

モチーフが明解でなく、終始が明解ではないので、どのように解釈するのかも定められず、主体客体の概念も崩壊します。

但し描いては消す動作を繰り返すので、そこには何かの審美眼が働き理性的な力も働いています。


完全なる画法のトレースではなく、過程として様々な画法を取り入れるように、icoもオートマティスムやアクションペインティングを使い作品を制作しています。


icoは常に過渡期にあり、作品の固定化を行っていません。


それは彼女が持つ精神性と深い関係があり、無駄を嫌う潔癖な部分と完璧を求めるが故に新しさを追求する精神性が、作品の変革を常に進めているのだと思います。

抽象画というジャンルをあまり知らない人にとっては、理解しがたいかもしれません。

具体的な要素を提示し解釈を促す絵画ではなく、不確定な要素を抽象的に、または非論理的に表現してるのが抽象作品です。

ですが最も最先端の美術ジャンルの一つであることには間違いありません。


今までの慣習的な美術に一石を投じ、概念を壊し自我を表現しない。

正解のない世界を漂うこと・・・それはとてつもないパワーのいる作業です。

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