人生の楽しみ方

突然ですが、今から２時間の実験を行うとします。

２時間の間、二つの事のどちらかを選択し行動てくださいと言われたとします。

報酬はどちらを選択しても10,000円を貰えるものとします。

一つは、辞書を２時間読んで下さい。※辞書の種類やページは問いません。

一つは、好きな娯楽を２時間行なってください。

どちらを選んでも報酬は同じです。

それであれば、娯楽を選ぶ人が大半だと思います。当たり前です。遊んで10,000円貰えるのですから。

ですがこれはとても大切な事を問題としています。

それは知の楽しみを忘れかけているという事です。

この実験を受ける方の状態にもよりますが、普段通りの体調で精神的にも安定していた場合、様々な挑戦が行える状態だとも言えます。

なぜ娯楽を選んだか、それは単純に蜜の味を知っているからです。

娯楽は自分の欲求のまま、欲しい物事を楽しめます。

苦労することはありません。ストレスを感じたら辞めることもできます。

ですが娯楽です。ストレスを発散する事や刹那的な欲求を満たすことが出来ても得ることはほとんどありません。

それが娯楽というものです。

片方辞書を読む事は、知らない事を知ろうという勉強ですのでストレスがかかります。

知らない単語があれば調べ、難解な表現があれば調べ、根気強く向き合う忍耐力や逃げ出したくなる自分を抑制する自制心が必要です。つまり努力する事を前提として辞書を読みます。

ですが２時間経てば、２時間前とは違う知識を持った自分がいます。

努力しなければ得るものはないという事を言いたいわけではなありません。

実際努力しなければなりませんが、最も大切な事は知る事です。知る事の楽しみ方を忘れてしまっているという事です。

子供はわからないことがあればすぐに親に聞きます。

なんで？どうして？と。

子供は知りたいのです。知ればもっと世界が明瞭になる事を理解しています。

コミュニケーションを取る為に言語を学び、思いを伝える為に適切な言葉を覚えます。想像力はたくさんの言葉と経験を結びつけて行います。

今までこうだったから、この問題もこうなるだろう。

子供はこのような文章で理解していませんが、しっかり道理を理解しています。それは経験しているからです。知っているからです。

大人の私達は、様々な娯楽を知っています。

今の娯楽に飽きればTVやネット、スマホから何が面白いのかを教えてくれます。刺激が欲しいのです。楽しみたいのです。

そんな日々に慣れれば、本を読む事や、知らない事を学ぼうとする事が大変に感じます。

ですが、何も知らず何もかもが新鮮だった時、新しい物事を学ぶ時はとても楽しかったはずです。

知ることによって世界が広がります。

学ぶからこそ先に進めます。

楽しみながら学ぶ環境があればとても素敵だと思いませんか。

最も良い方法はどんな状況でも楽しみながら挑む事のできる精神を自分で養う事です。

ですがそれはとても困難です。

学びと遊びとを適度なバランスで織り交ぜた方法を僕は模索しています。

その場の一つがAOPです。

様々なイベントで平坦な学びから、刺激を持って挑んでいただけるように取り組んでいます。

コンテストだけではなく、グループ展、個展、企業とのタイアップ、そして海外出品。

望むその未来の為にどのような方法があるのかを多角的にお伝えしています。

必要な事は足が速くなることではありません。

足が速くない理由を知ることです。

誰かと比べるのではなく、自分を知ることです。

そして知らない物事を学ぶことで新しい可能性を見出します。

知る事はとても楽しい事です。

どんな娯楽よりも楽しく刺激的です。

なぜなら、先週まで出来なかったハッチングが成長することも、先月では表現できなかった繊細な陰影表現も、知ろうと紙と向き合ったからこそ得た新たな世界です。

挑まなければ一生、手に入れる事はできなかった事ですから。